「これで宅建合格」のトップページ平成22年過去問>第26問

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解答




【 解説 】

◆1
農業協同組合が販売代理の依頼を受けて業として営む場合には、免許が必要です。この点、国や地方公共団体が不動産取引をなす場合には宅建業の免許は不要です。そして国や地方公共団体以外でも宅建業の免許が不要とされている場合があります。例えば地方住宅供給公社は地方公共団体とみなされますので、同じく宅建業の免許は不要です。しかし農業協同組合は不要とはされておらず、原則通り動産取引をなす場合には宅建業の免許が必要です。

よって肢1は誤っています。


◆2
宅建業の取引をするためには免許が必要ですが、この免許が必要な「取引」には、自ら当事者として宅地建物を賃貸する場合は当てはまりません。そして転貸の場合も、賃貸には変わりがありません。ですので、自ら所有する建物を貸借する場合には、免許は必要ありません。

よって肢2は誤っています。


◆3
破産管財人とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいいます(破産法2条12項)。この破産管財人は、破産手続開始の決定と同時に、裁判所により選任されます(破産法31条1項、74条1項)。そして破産手続は裁判所の監督の下に進められ、破産管財人も裁判所が監督します(75条1項)。このように裁判所の監督下にあるため、不正な取引が行われることもないであろうという考えに基づき、破産管財人が破産財団の換価のために自ら売主となり、宅地又は建物の売却を反復継続して行う場合には、宅建業の免許は不要とされています。

しかし、この破産管財人から依頼を受けて、破産管財人が行う宅地又は建物の売却の媒介を業として営む者には免許が必要です。この者は破産管財人ではありません。確かに一連の破産手続と無関係ではありませんが、この者が行っているのは免許が必要な通常の宅地又は建物の売却の媒介です。

よって肢3は誤っています。


◆4
信託会社は、信託業法により内閣総理大臣の免許または登録を受けています。すでに内閣総理大臣の免許または登録を受けているので、宅建業の免許に関する規定は適用されません(77条1項)。但し、国土交通大臣への一定事項の届出が必要になります(同条3項)。

なお、このように信託会社には免許に関する規定は適用されませんが、保証金の供託などの免許以外の規定は適用になりますので、注意が必要です。

よって肢4は正しいです。


以上より、正解は肢4です。



【 解き方 】
正解肢である肢4自体は、それほど難しい肢ではありません。また肢1や肢2も、多くのテキストに記載されていることだと思いますし、基本事項に属する知識でしょう。

それよりも肢3で破産管財人という聞きなれない言葉で困惑した人が多いのではないかと思います。肢3に関しては、多くの受験生が知らなかったと思います。本試験の場で、肢3の正誤を判断しようとしても、無理です。もし肢3が正解肢であるならば、それは消去法でしか正解にたどり着けないのではないかと思います。「肢3が正しいかどうかはわからない。でも他の肢が確実に誤っているから、肢3しかない。」こういう思考で肢3を選択するしかないでしょう。

しかし、本問では肢4が正解であり、しかも肢4自体はそれほど難しくはありません。確かに、肢3で破産管財人という聞きなれない言葉を持ってきて、その直後に正解肢を持ってくるということでは、いやらしい出題の仕方をしています。でも、肢3であまり考え込まず、きちんと基本的な知識を押さえておけば正解(肢4)にたどり着けると思います。

今後もこの手の出題の仕方は考えられますので、そのための訓練として利用するのも合格のためには必要だと思います。



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