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解答
2
【 解説 】
◆1
建物の売買の媒介の場合は、建築基準法に規定する建ぺい率及び容積率に関する制限があるときはその概要を説明しなければなりませんが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はありません(35条1項2号)。売買の場合には当該建物が建築基準法に規定する建ぺい率や容積率にのっとっているかどうかを説明する必要がありますが、賃貸の場合には賃借人が責任を負うわけではないので、説明の必要はありません。
よって肢1は正しいです。
◆2
宅地の売買の媒介の場合のみならず建物の貸借の媒介の場合も、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法第6条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければなりません(35条1項14号、宅建業法施行規則16条の4の3第2号)。賃貸であっても、そこに居住する以上は、土砂災害等の説明を受けさせる必要があるからです。
よって肢2は誤っています。
◆3
建物の売買の媒介の場合は、住宅の品質確保の促進等に関する法律第5条第1項に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときはその旨を説明しなければなりませんが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はありません。そもそも住宅の品質確保の促進等に関する法律は住宅購入者(つまり買主)を保護するための法律であり、賃借人を保護するための法律ではありません。なので、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はありません。
よって肢3は正しいです。
◆4
宅地の売買の媒介の場合は、私道に関する負担について説明しなければなりませんが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はありません(35条1項3号)。私道に関する負担とは、土地の一部に私道の敷地が含まれている場合に、この私道敷地部分のことをいいます。宅地の売買の媒介の場合には、私道に関する負担のあることを知らずに不動産を購入した買主に対して不測の損害を与えないように、あらかじめ私道に関する負担の内容を説明する必要があるわけです。しかし建物賃貸の場合には、負担を負うわけではないので、説明する必要はありません。
以上より、正解は肢2です。
【 解き方 】
重要事項説明書面のうち法令上の制限についての説明事項についての出題です。かなり細かい点まで出題されていて、すべての肢についてきちんと押さえている受験生は少ないものと思われます。
ここで肢を見ていくと、いずれの肢も「売買の媒介の場合は〜説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない」となっています。つまり賃貸の場合にはここまで説明しなくてもよいのではないかと思われる肢を、他の肢と比較しながら考えていくべきでしょう(もしくは逆に賃貸の場合でも説明しなければならないと思われる肢)。
このような視点でそれぞれの肢を見ていくと、土砂災害警戒区域内というのはそこに住む以上は賃貸であっても説明が必要な事項と判断できるのではないかと思います。やはり住む以上は土砂災害が発生したら恐いですからね。このように考えれば、肢2を選択できると思います。
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