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解答
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【 解説 】
◆まずは肢1です。
その通りです。都道府県知事は、造成宅地防災区域について、擁壁等の設置又は改造その他宅地造成に伴う災害の防止のため必要な措置を講ずることにより当該区域の指定の事由がなくなったと認めるときは、当該造成宅地防災区域の全部又は一部について、その指定を解除するものとされています(宅地造成等規制法20条2項)。指定の事由がなくなった以上、いつまでも造成宅地防災区域として指定しておく必要がないからです。
よって肢1は正しいです。
◆次に肢2です。
その通りです。都道府県知事は、偽りその他不正な手段によって宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の許可を受けた者に対して、その許可を取り消すことができます(宅地造成等規制法14条1項)。都道府県知事がすることができる監督処分の中の一つです。「偽りその他不正な手段」によって許可を受けている以上、当然です。
よって肢2は正しいです。
◆続いて肢3です。
その通りです。宅地造成工事規制区域内の宅地の所有者、管理者又は占有者は、宅地造成に伴う災害が生じないように、その宅地を常時安全な状態に維持するように努めなければなりません(宅地造成等規制法16条1項)。そして宅地造成工事規制区域内で過去に宅地造成に関する工事が行われて、現在は造成主とは異なる者がその工事が行われた宅地を所有している場合において、当該宅地の所有者は宅地造成に伴う災害が生じないようその宅地を常時安全な状態に維持するよう努めなければなりません。過去に宅地造成に関する工事が行われ、現在は造成主と異なる者が当該宅地を所有しているからと言って、現在の所有者が何をしてもいいということにはなりません。現在の所有者は、宅地造成に伴う災害が生じないよう、その宅地を常時安全な状態に維持するよう努めなければなりません。
よって肢3は正しいです。
◆最後に肢4です。
宅地造成工事規制区域外において行われる宅地造成に関する工事については、届け出る必要はなく、もちろん許可を受ける必要もありません。許可や届出が必要なのは、宅地造成工事規制区域内です。なお、届出が必要なのは、宅地造成工事規制区域内であって、許可が必要な宅地造成に関する工事には該当しないが、宅地造成に伴う災害と密接に関連する一定の行為を行おうとする場合です(宅地造成等規制法15条)。
よって肢4は誤っています。
以上より正解は4です。
【 解き方 】
宅地造成等規制法がそもそも宅地造成工事規制区域内に適用があることを知っていれば、肢4が誤りあることがわかります。それを知らなかったとしても、肢1は、指定の事由がなくなれば、解除してもいいかなと考えうると思います。また肢2は、「偽り」によって許可を受けている以上、その許可を取消すことができるだろうと考えうると思います。肢3では所有者が変更していますが、現在の所有者に義務を課さなければ、何のために宅地造成をしたのかがわからなくなってしまいます。このように消去法によっても、なんとか正解にたどり着けると思います。
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