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解答
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【 解説 】
◆まずは肢1です。
その通りです(113条1項)。Bの行為が無権代理であったとしても、Aが追認した場合には、AC間の売買契約は有効となります。
よって肢1は正しいです。
◆次に肢2です。
本人が死亡し、本人の地位を無権代理人が唯一の相続人として相続した場合に、法律関係がどのようになるのかという肢です。この場合、本人が自ら法律行為をしたのと同様な法律上の地位が生じます(最判昭40年6月18日)。自ら無権代理行為をしておきながら、追認拒絶することは虫が良すぎるということです。したがって、Bは自らの無権代理行為の追認を拒絶することはできません。
よって肢2は誤っています。
◆続いて肢3です。
肢2とは逆に、無権代理人が死亡し、無権代理人の地位を本人が唯一の相続人として相続した場合に、法律関係がどのようになるのかという肢です。この場合には、本人A(相続人)が無権代理人B(被相続人)の無権代理行為の追認を拒絶しても信義則には反しません。したがって、AC間の売買契約が当然に有効になるわけではありません(最判昭37年4月20日)。
よって肢3は正しいです。
◆最後に肢4です。
その通りです。肢3との違いは、他に共同相続人がいるか否かです。無権代理人が本人の地位を他の共同相続人とともに共同相続した場合、共同相続人全員が共同して追認しない限り、無権代理行為が有効となるものではありません(最判平5年1月21日)。
よって肢4は正しいです。
以上より正解は2です。
【 解き方 】
肢1は条文からの出題ですが、肢2〜4は代理と相続に関する有名な判例からの出題です。有名な判例からの出題ですから、あまり迷うようなこともなかったと思います。肢2と肢3とでは状況が逆でありながら結論が同じなのはおかしいのではないかと気付けば、いずれかが正解ではないかと予想できるのではないかと思います。
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