「これで宅建合格」のトップページ平成24年過去問>第9問

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解答




【 解説 】

◆まずは肢1です。
その通りです。使用者責任に基づく損害賠償請求と、被用者の不法行為に基づく損害賠償請求とは不真正連帯債務の関係に立ちます(大判昭12年6月30日)。不真正連帯債務においては、一方が時効によって消滅しても、他方には影響を与えません(相対効)。したがって、BのCに対する損害賠償義務が消滅時効にかかったとしても、AのCに対する損害賠償義務が当然に消滅するものではありません。

よって肢1は正しいです。


◆次に肢2です。
判例は損害の発生と同時に慰謝料請求権を取得し、この請求権を放棄したものと解し得る特別の事情がない限り、相続人に相続されるとしています(最判昭42年11月1日)。したがって、AはCの相続人に対して、慰謝料についての損害賠償責任を負います。

よって肢2は誤っています。


◆続いて肢3です。
本肢のような場合について判例は、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において、被用者に対し損害の賠償又は求償の請求をすることができるとしています(最判昭51年7月8日)。したがって、Bに資力があっても、最終的にAはCに対して賠償した損害額の全額を常にBから回収することができるわけではありません。

よって肢3は誤っています。


◆最後に肢4です。
不法行為に基づく損害賠償請求の場合、被害者に過失があったときには、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができます(722条1項)。そしてこの場合の被害者の過失とは、単に被害者本人のみでなく、広く被害者側の過失を包含するものとしています(最判昭34年11月26日)。そして被害者側と言えるためには、被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係を言います(最判昭42年6月27日)。幼児が被害者の場合には父母などがそれに当たります。したがって、Cが幼児である場合でも、被害者側に過失があるときには過失相殺が考慮されます。

よって肢4は誤っています。


以上より正解は1です。



【 解き方 】
どの肢も、有名な判例が基本となっています。条文ばかりでなく、有名な判例についてもきちんと押さえておく必要があるでしょう。



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