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解答
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【 解説 】
◆まずは肢1です。
その通りです。民法上の代理では、本人が死亡すると、任意代理人の代理権は当然に消滅します(民法111条1項1号)。しかし、登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人の死亡によっては、消滅しません(不動産登記法17条1号)。この場合は実体上の権利変動はすでに完了しており、あとは登記手続を残すのみなので、登記申請をする代理権が消滅しないことが当事者の利益に合致するからです。
よって肢1は正しいです。
◆次に肢2です。
承役地についてする地役権の設定の登記は、要役地に所有権の登記がない場合においては、することができません(80条3項)。もし、要益地に所有権登記がないにもかかわらず承役地に地役権の設定の登記を認めるとすると、当該承役地はどこの土地のために地役権を設定されているのかが不明確になってしまうからです。
よって肢2は誤っています。
◆続いて肢3です。
その通りです。区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができます(47条1項)。
よって肢3は正しいです。
◆最後に肢4です。
その通りです。そもそも権利に関する登記は、登記権利者と登記義務者が共同で申請するのが原則です。しかし、不動産の収用による所有権の移転の登記は、起業者が単独で申請することができます(118条1項)。収用というのは、強制的に不動産を公的機関にとられてしまうというイメージです(「とられて」というと語弊がありますが、あくまでイメージです)。この場合には、公的機関が手続きに関与しているので、間違いがないだろうということです。しかも強制的にとられてしまうので、登記義務者を申請に関与させるのが無理なのです。
よって肢4は正しいです。
以上より正解は2です。
【 解き方 】
不動産登記法については範囲も広く、また難しい問題が出題されることも多いので、なかなか勉強がここまで回らない受験生も多いと思います。過去問を中心に勉強しながら、基礎的な知識を固めておく必要があるでしょう。
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