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解答
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【 解説 】
自ら売主の場合の制限についての出題です。本問のように、問題文に「自らが売主である」と記載がある場合には、自ら売主の制限についての出題ではないかと疑ってみるとよいでしょう。
ところで自ら売主の場合の制限は、全部で8つあります。
1、クーリング・オフ
2、自己所有ではない物件の契約締結について
3、手付金などの保全措置
4、手付金額などの制限
5、損害賠償額の予定等の制限
6、瑕疵担保責任
7、割賦販売契約の解除などの制限
8、所有権留保などの禁止について
何が自ら売主の制限になっているのかは、何度も繰り返すことによって、暗記しておきましょう。
◆まずは肢1です。
物件の引渡しを受けて、かつ代金全額をすでに支払ってしまったときは、クーリング・オフできません(37条の2第1項2号)。この場合にはすでにお互いの履行が完了しているからです。このことは、クーリング・オフについて何も告げられていなかったとしても同様です。
よって肢1は誤っています。
◆次に肢2です。
その通りです。クーリング・オフは、書面でクーリング・オフできると告げられてから8日間経過したときは、できなくなります(37条の2第1項1号)。本肢においては、売買契約を締結してから、3日後にA社から当該契約に係るクーリング・オフについて書面で告げられています。なので、契約締結日から起算して10日目というのは、まだクーリング・オフできると告げられてから7日しか経過していません。したがって、クーリング・オフすることができます。
よって肢2は正しいです。
◆続いて肢3です。
売主買主の当事者間でクーリング・オフに関する特約を結んだ場合、買主に不利な特約は無効です(37条の2第4項)。
よって肢3は誤っています。
◆最後に肢4です。
買受の申込を事務所等でした場合、クーリング・オフができなくなります(37条の2第1項)。事務所等で申込をした場合には、買主の「買う意思」は間違いのないものと言ってよいからです。本肢において、BはA社の事務所において買受けの申込みをしているので、クーリング・オフをすることはできません。
よって肢4は誤っています。
以上より正解は2です。
【 解き方 】
安易に契約を締結してしまったような買主を保護すべき要請から、クーリング・オフという制度が認められています。クーリング・オフは重要事項であり、宅建頻出論点の一つです。本問はこのクーリング・オフ全般についての出題です。
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