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【 解答 】




【 解説 】

留置権の成立要件
1、他人の物を占有していること
2、債権が目的物に関して生じたものであること(債権と目的物との牽連性)
3、債権が弁済期にあること
4、占有が不法行為によって始まった場合でないこと

◆まずは肢1です。
要件2に関する問題です。造作買取請求をした場合の代金債権は、あくまでも造作に関して生じた債権であり、建物に関して生じた債権ではないので、建物を留置することは出来ません(最判昭29年1月14日)。なお、賃借人は、造作買取代金の支払を受けるまで、当該造作を留置することは出来ます。

よって、肢1は誤っています。


◆次に肢2です。
要件2に関する問題です。不動産が二重に売買され、第2の買主が先に所有権移転登記を備えたため、第1の買主が所有権を取得できなくなった場合、第1の買主は売主に対して損害賠償請求権を取得しますが、この場合に損害賠償を受けるまで当該不動産を留置することは出来ません(最判昭43年11月21日)。留置権は、物を留置することによって、債務の弁済を間接的に強制する権利です。不動産の所有権は売主にはなく、不動産の引渡請求権を主張しうるのは第2の買主ですので、第1の買主が不動産を留置したからといって、売主が債務の弁済を強制される関係にはありません。

よって、肢2は誤っています。


◆続いて肢3です。
要件4に関する問題です。賃貸借契約解除後に賃借人が賃借物件に有益費を支出した場合には、「占有が不法行為によって始まった場合」を類推適用して、留置権は成立しません(最判昭41年3月3日)。なお、賃貸借契約解除後に賃借人が賃借物件に必要費を支出した場合にも、同様に留置権は成立しません(最判昭46年7月16日)。

よって、肢3は誤っています。


◆最後に肢4です。
その通りです。本肢は、要件2に関する問題です。建物の賃借人が建物に関して生じた債権(必要費等)を支出した場合、賃借人は、建物所有者ではない第三者が所有する敷地を留置することはできません(大判昭9年6月30日)。あくまでも建物に関して生じた債権であり、敷地に関して生じた債権ではないからです。

よって、肢4は正しいです。


以上より、正解は4です。



【 解き方 】

留置権の要件について、判例から出題されています。肢1や肢3あたりはとりわけ有名な判例ですので、二択にまで絞れた方は多かったのではないかと思います。残りの判例を知らなくても、要件を覚えていれば、正解にはたどり着けるのではないかと思います。



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