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【 解答 】
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【 解説 】
◆まずは肢1です。
債権者が抵当権の実行として担保不動産の競売手続をする場合には、被担保債権の弁済期が到来している必要があるとする前段は正しいです。対象不動産に関して発生した賃料債権に対して物上代位をしようとする場合にも、被担保債権の弁済期が到来している必要があります。弁済期が到来していなければ、そもそも債務不履行になっておらず、抵当権設定者としては抵当権の実行を甘受しなければならない立場にないからです(371条参照)。
よって、肢1は誤っています。
◆次に肢2です。
その通りです。抵当権の対象不動産が借地上の建物であった場合、特段の事情がない限り、抵当権の効力は当該建物のみならず借地権についても及びます(最判昭40年5月4日)。
よって、肢2は正しいです。
◆続いて肢3です。
確かに、抵当権は、抵当権設定者から抵当権者に対して占有を移転させるものではありません。しかし、第三者が抵当不動産を不法に占有することにより、抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ、抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときには、抵当権に基づく妨害排除請求として、抵当権者が不法占有状態の排除を求めることが許されます(最大判平11年11月24日)。したがって、事情によっては、抵当権者が当該占有者に対して妨害排除請求をすることが出来ます。
よって、肢3は誤っています。
◆最後に肢4です。
抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができます(374条1項本文)。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得る必要があります(同条同項但書)。
よって、肢4は誤っています。
以上より、正解は2です。
【 解き方 】
肢1がやや細かいですが、正解肢である肢2は、有名な判例ですので、他の肢で迷ったとしても、正解にはたどり着けると思います。もし、わからない肢があっても、肢2が確実に正しいとわかれば、他の肢では悩まずに、肢2をマークして次の問題で進むべきでしょう。ここで余計な時間を費やす必要はありません。
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