「これで宅建合格」のトップページ平成25年過去問>第6問

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【 解答 】




【 解説 】

◆まずは肢1です。
まず、Cは委託を受けた連帯保証人ですから、A銀行に対して保証債務を全額支払った場合、Bに対する求償権を取得します(459条1項)。同時に債権者に代位します(法定代位、500条)。その結果、CはA銀行に代位して、物上保証人たるDとEに対して抵当権を行使することができます(501条柱書)。以上を前提として、いくら代位できるかが問題です。この点について法は「保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する」としています(501条5号本文)。簡単に言えば、人数で割りなさいということです。1,500万円を3人(CDE)で割るわけです。そうすると一人当たりの負担額が500万円となります。したがって、CはDEの負担額である1,000万円を回収することができることになります。

よって、肢1は誤っています。


◆次に肢2です。
まず、A銀行がDに対する抵当権を実行し債権全額を回収した場合、DはBに対する求償権を取得します(372条、351条)。同時に債権者に代位します(法定代位、500条)。その結果、DはA銀行に代位して、保証人Cに保証債務の請求し、物上保証人Eに対して抵当権を行使することができます(501条柱書)。以上を前提として、いくら代位できるかが問題です。この点について法は「保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する」としています(501条5号本文)。簡単に言えば、人数で割りなさいということです。1,500万円を3人(CDE)で割るわけです。そうすると一人当たりの負担額が500万円となります。したがって、DはCの負担額である500万円を求償することができることになります。

よって、肢2は誤っています。


◆続いて肢3です。
まず、Cは委託を受けた連帯保証人ですから、A銀行に対して保証債務を全額支払った場合、Bに対する求償権を取得します(459条1項)。同時に債権者に代位します(法定代位、500条)。その結果、CはA銀行に代位して、物上保証人たるDとEに対して抵当権を行使することができます(501条柱書)。ここまでは肢1と同じです。ところが本肢では、Dから不動産を取得した第三者が登場しています。この第三者は、501条にいうところの第三取得者には当たりません。501条の第三取得者は、債務者から不動産を取得した者を指し、本肢のような物上保証人から不動産を取得した者は、501条の第三取得者ではないのです。本肢に登場する第三者は、依然として物上保証人となります。ですから「保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する」となっているので(501条5号本文)、CはDからの第三者に対して代位できることになります。そして、この場合に付記登記が必要かどうかが問題となります(501条6号)。この点について判例は、付記登記が必要になるのは、保証人が弁済をした後に、不動産を取得した者が現れた場合に必要であるとしています(最判昭41年11月18日)。本肢のように、先に不動産を取得した者が現れて、その後に保証人が弁済した場合には、付記登記は必要ないのです。したがって、Cは代位の付記登記をしなくても、不動産を取得した第三者に対してA銀行に代位することができることになります。なお、いくら代位できるかについては、本肢では不動産価格の明らかになっていないので、不明です。

よって、肢3は誤っています。


◆最後に肢4です。
肢3と同様に、Eから不動産を取得した第三者は、501条の第三取得者には当たらないので、依然として物上保証人として扱われます。そして、ここで重要なのは、第三取得者に当たらない以上は「第三取得者は、保証人に対して債権者に代位しない」とする501条2号の規定が適用ないということです。したがって、保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する」となります(501条5号本文)。第三者はCに対して500万円を代位できるので、弁済した額の一部を求償することができることになります。

よって、肢4は正しいです。


以上より、正解は4です。



【 解き方 】

非常に難しい問題です。しかもややこしいですし、受験生が苦手とする分野でもあると思います。そういう意味では捨問にしても仕方がないかと思います。肢1については、詳しい計算(正確な計算)はわからなくても、1,500万円全額について回収できるのはおかしいのではないかと推測できるのではないでしょうか。もし1,500万円全額回収できるとすると、Cは全く負担しないことになります。Cは連帯保証人の立場にありながら、全く負担しないのは変ではないかと考えることができれば、なんとなく肢1は誤っていると判断できるのではないかと思います。肢2についても、なぜここで1,000万円になるのかに、疑問が出てくるのではないでしょうか。つまり連帯保証人Cと、物上保証人DEと三人いるわけです。にもかかわらず、なぜ連帯保証人Cが一人で債務の3分の2にあたる1,000万円を負担しなければならないのかという疑問です。あまりにも多すぎないかということです。この点に疑問を抱ければ、Cの正確な負担額がわからなくても、肢2は誤っていると判断できるのではないかと思います。問題は肢3と肢4です。501条の第三取得者は、債務者から取得した者であり、物上保証人から取得した者は含まれないという点を知っているかどうかということです。これはかなり細かい知識です。ですから肢3か肢4かで悩み、肢3にマークをしてしまっても仕方がないというところでしょう。ただ、この点を知らなくても、付記登記は保証人が弁済をした後に、不動産を取得した者が現れた場合に必要であるという判例(最判昭41年11月18日)を知っていれば、肢3が誤っているという結論になんとかたどり着けます。そうすれば、消去法により、なんとか肢4を選択できるのではないかと思います。そうは言っても、501条の第三取得者は、債務者から取得した者であり、物上保証人から取得した者は含まれないという点を知らないと、肢4で501条2号の適用がないことに気づきません。そうすると、肢4を正解とすることに違和感を感じることになると思います。非常に難しい問題です。肢3をマークして間違えてしまったとしても、仕方がない問題と言えるでしょう。



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