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【 解答 】
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【 解説 】
◆まずは肢1です。
その通りです。判例は、使用者(A)は、被用者(B)と第三者(D)の共同過失によって惹起された交通事故による損害を賠償したときは、被用者と第三者の過失割合にしたがって定められる第三者の負担部分について第三者に対して求償権を行使することができるとしています(最判昭41年11月18日)。したがって、Aは、Cに対して事故によって受けたCの損害の全額を賠償した場合には、BとDの過失割合に従って、AはDに対して求償権を行使することができます。
よって、肢1は正しいです。
◆次に肢2です。
判例は、使用者が、その事業の執行につきなされた被用者の加害行為により、直接損害を被り又は使用者としての損害賠償責任を負担したことに基づき損害を被った場合には、使用者は、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において、被用者に対し損害の賠償又は求償の請求をすることができる、としています(最判昭51年7月8日)。したがって、Aは、Dに対して事故によって受けたDの損害の全額を賠償した場合には、Aは、被用者であるBに対して求償権を行使することができます。
よって、肢2は誤っています。
◆続いて肢3です。
事故についてDにも過失がある以上、CはAとBに対してのみならず、Dに対しても損害賠償を請求することができます(719条)。これらの債務は、不真正連帯債務の関係になります。
よって、肢3は誤っています。
◆最後に肢4です。
Bは事故について過失がある以上、DはBに対して損害賠償を請求することができます(709条)。この場合に、使用者責任(715条)が成立するか否かは関係ありません。なお、AとBの債務は、不真正連帯債務の関係になります。
よって、肢4は誤っています。
以上より、正解は1です。
【 解き方 】
共同不法行為に関する出題です。ここのところは有名な判例がいくつか出ていますから、それらを抑えておく必要があるでしょう。本問で出ている判例以外に、最判昭63年7月1日や最判平3年10月25日なども抑えておくとよいでしょう。
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