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【 解答 】
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【 解説 】
◆まずは肢1です。
宅地造成工事規制区域内において宅地造成に関する工事を行う場合、政令で定める技術的規準に従い、擁壁、排水施設その他の政令で定める施設の設置その他宅地造成に伴う災害を防止するため必要な措置を講じなければなりません(9条1項)。そして、講じなければならない措置のうち政令で定めるものの工事は、政令で定める資格を有する者の設計によらなければなりません(同条2項)。これを受けて政令では、資格を有する者の設計によらなければならない工事として(1)高さが5mを超える擁壁の設置、(2)切土又は盛土をする土地の面積が1,500平方メートルを超える土地における排水施設の設置を定めています(施行令16条)。したがって、高さ4mの擁壁の設置に係る工事については、政令で定める資格を有する者の設計による必要はありません。
よって、肢1は誤っています。
◆次に肢2です。
その通りです。宅地造成工事規制区域内において、宅地造成に関する工事を行う場合には、都道府県知事の許可を得なければなりません(8条1項)。そして宅地造成とは、宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更で次に該当する場合をいいます(2条2号、施行令3条各号)。
1 切土 切土をした土地の部分に高さが2mを超える崖を生ずるもの
2 盛土 盛土をした土地の部分に高さが1mを超える崖を生ずるもの
3 切土と盛土 切土と盛土を同時にする場合に、盛土をした土地の部分に高さが1m以下の崖を生じ、かつ切土と盛土をした土地の部分に合わせて高さ2mを超える崖を生ずるもの
4 上記1〜3のいずれにも該当しない切土又は盛土であって、当該切土又は盛土をする土地の面積が500uを超えるもの
したがって、本肢においては、切土をする土地の面積が600uで、かつ高さ1.5mの崖を生ずることとなるので、4番に該当し、都道府県知事の許可が必要となります。
よって、肢2は正しいです。
◆続いて肢3です。
その通りです。肢2の解説参照。本肢は、盛土をする土地の面積が300uで、かつ、高さ1.5mの崖を生じているので、2番に該当し、都道府県知事の許可が必要となります。
よって、肢3は正しいです。
◆最後に肢4です。
その通りです。都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地について、宅地造成に伴う災害の防止のため必要があると認める場合においては、その宅地の所有者、管理者、占有者、造成主又は工事施行者に対し、擁壁等の設置又は改造その他宅地造成に伴う災害の防止のため必要な措置をとることを勧告することができます(16条2項)。当たり前に話しですが、災害防止の必要性からです。
よって、肢4は正しいです。
以上より、正解は1です。
【 解き方 】
細かい数字まで覚えていないと解けない問題ですので、難しい問題と言えるでしょう。肢2と肢3は、過去問でも頻出事項ですので、わかった方も多いと思います。これを機会に肢1についても覚えておきましょう。来年度以降に「切土又は盛土をする土地の面積が1,500平方メートルを超える土地における排水施設の設置」が出題される可能性があります。
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