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【 解答 】
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【 解説 】
自ら売主の場合の制限についての出題です。本問のように、問題文に「自らが売主である」と記載がある場合には、自ら売主の制限についての出題ではないかと疑ってみるとよいでしょう。
ところで自ら売主の場合の制限は、全部で8つあります。
1、クーリング・オフ
2、自己所有ではない物件の契約締結について
3、手付金などの保全措置
4、手付金額などの制限等
5、損害賠償額の予定等の制限
6、瑕疵担保責任
7、割賦販売契約の解除などの制限
8、所有権留保などの禁止について
何が自ら売主の制限になっているのかは、何度も繰り返すことによって、暗記しておきましょう。
◆まずは肢1です。
自ら売主の場合に、物件の引渡し前において、手付金等を受領する場合には、宅建業者は保全措置をとらなければならないのが原則です(41条1項、41条の2第1項)。そしてその保全措置の方法は、未完成物件の場合と完成物件の場合とで、方法が異なります。未完成物件の場合には(1)銀行等による連帯保証、(2)保険事業者による保証保険があり、完成物件の場合には(1)銀行等による連帯保証、(2)保険事業者による保証保険、(3)指定保管機関による保管があります。本肢は建築工事完了前の建物なので未完成物件であり、したがって指定保管機関による保管は、保全措置として認められておりません。
よって、肢1は誤っています。
◆次に肢2です。
保全措置を講じる必要があるのは、手付金を受領する者です。本肢においては、Aが手付金を受領するのですから、Aが保全措置を講じる必要があります。
よって、肢2は誤っています。
◆続いて肢3です。
宅地建物取引業者間の取引には、自ら売主の制限は適用されません(78条2項)。なお、もしEが宅地建物取引業者でない場合には、代金の額の100分の5を超えているので、保全措置を講じなければ、当該建物の引渡前に500万円を手付金として受領することは出来ません(41条1項)。
よって、肢3は正しいです。
◆最後に肢4です。
自ら売主の制限における手付金等の保全措置において、手付金等とは代金の全部又は一部として授受される金銭及び手付金その他の名義をもって授受される金銭で代金に充当されるものであって、契約の締結の日以後当該宅地又は建物の引渡し前に支払われるものをいいます(41条1項)。ですから、本肢における中間金も手付金等に含まれます。手付金100万円と中間金200万円を足すと受領金額が代金の額の5%を超えるので、保全措置を講じなければ、受領できません。
よって、肢4は誤っています。
以上より、正解は3です。
【 解き方 】
自ら売主に関する基礎的事項を問う問題です。正解肢である肢3も基本的論点ですし、他に特に迷うような肢もないと思います。合格のためには、絶対に落とせない問題です。
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