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めざせ宅建合格！過去問から学ぼう！！平成１６年第２号

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　　　　　　「めざせ宅建合格！過去問から学ぼう！！」

　　　　　　本メルマガの目的はただ一つ、宅建試験の合格です

　　　　　　　　　　　　　平成１６年４月３０日　　第２号

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　こんにちは、ごとうです。
　いよいよゴールデンウィークが始まりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか？
　今日もお休みでゴールデンウィークの真っ最中の方、とてもうらやましいです。
　７連休なんて私には夢のようです。でも、あんまり羽を伸ばしすぎないようにして下さいね。

　では、今日もさっそくはじめましょう。

★目次★
　時効
１、総論
２、時効の中断
３、時効の援用権者
４、時効完成前の第三者
５、時効完成後の第三者

●１、総論●
　人間、誰でもそうですが、時間が経つと昔の事を忘れてしまいます。
　「あの時どうだったかな？」とか「これって誰のものだっけ？」という事は日常生活の中でわりとよくあることだと思います。長い事使用していたので自分のものかと思っていたら、実は他人のものだった。こういう事もあるかと思います。

　長い事自分のものとして使用していたのであれば、もうその人のものでいいじゃないか、
　長い事お金を払えと請求しなかったのなら、もうその権利は消滅したものとしていいじゃないか、

　これらの事を法律上の制度として定めたものが「時効」です。
　つまり、
一定の長い間その状態が続いたのであれば、その状態を権利として認める、
一定の長い間権利行使しなかったのであれば、権利は消滅する、こういうことです。

テレビドラマなどでも、よく出てくる言葉ですね。

●２、時効の中断●
一定の時間が経過すると、必ず権利が消滅してしまうのか、というと、そんな事はありません。長い間権利を行使しなかったら、消滅するのです。
　逆に言えば、権利を行使していると言える状況があれば消滅しません。
　これが、時効の中断です。

　例えば、ＡがＢに対して金銭債権を有していたとします。債権の消滅時効は通常１０年（１６７条１項）です。

　この場合、Ａは１０年間、自己の債権を放ったらかしにしておくと時効により消滅してしまいます。

　しかし、そんな事は、普通Ａとしては避けたいところです。

　そこで、ＡとしてはＢに対して「請求」したり、B所有の不動産を「差押」したりと、消滅しないための手段をとることになります（１４７条）。
　このような手段をとるということは、「権利を行使しなかった」とは言えませんね。

　かかる手段をとることによって時効の中断が生じます。時効の中断が生じると、時効の進行がスタートに戻ります。つまり、債権の場合、いったん時効の中断が生じると、またその時点から１０年経たないと時効は成立しません。

　本試験では、この時効の中断事由につき、とりわけ近年けっこう細かい点まで出題されています（平９－４－４、平１２－２－２・３・４参照）。これらをどこまで押さえるか、というのは難しい所です。

　ここで、まず一つ押さえましょう。「請求」によって時効は中断します。
　お金を貸した債権者が、お金を借りた債務者に対して、請求するということは、権利を放っておくということにはなりませんね。
　でも、これは「裁判上の請求」である必要があります。裁判によらずに催告しても中断しません。つまり、裁判によらずに、「お金払え！」と言ったとしても、中断にはならないのです。催告した場合には、その後６ヶ月以内に裁判上の請求などをなす必要があります。これは時効期間の完成が、もうすぐ、というときに、とりあえず催告をして、時効の完成を６ヶ月先にのばす、というようなときに使われます。

　このことは昭６２－８－４で問われています。

　平９－４、平１２－２はかなり細かい知識ですが、必ず皆様で解いておいて下さい。

●３、時効の援用権者●
　時効の効果は、当事者が援用（つまり、私は時効の効果を受けます、と言うこと）しないと生じません。
　ＡがＢに債権を有している場合に、時効期間の１０年が経過したとします。
　このとき、Ｂが時効の効果を援用しないと、時効の効果を受けられません。援用しない場合には、ＡはＢに依然として履行を請求できることになります。

　時効の援用をなしうる者は、「当事者」（１４５条）です。この「当事者」とは「直接に利益を受ける者」とされています。「直接に利益を受ける者」と言われても、はっきり言ってよくわからないですよね。一体誰が「直接に利益を受ける者」なのでしょうか。

　まず、近年過去問で２回出題されている者がいます。覚えましょう。
　物上保証人です（平９－４－３、平１２－２－１）。

　これはＡがＢに債権を有しているときに、ＣがＣ所有の土地にＡとの間で抵当権を設定した、というような場合のＣです。ＡＢ間の債権が時効により消滅したとき、物上保証人Ｃは時効の援用ができます。

　ほかに、主債務者（上記の例のＢ）、保証人、連帯保証人もできます。

　あと、近年出題が予想される者として、「抵当不動産の第三取得者」がいます。これは、ＡがＢに債権を有していました。Ｂは自己所有の土地に抵当権を設定しました。その後、Ｂはその土地をＣに売却しました。
　こういう場合のＣが「抵当不動産の第三取得者」です。

　このＣは時効を援用できます。覚えておいて下さい。

●４、時効完成前の第三者●
　Ａが土地を所有しているとします。時効期間が経過し、Ｂがこの土地を時効により取得したとします。このとき、ＢはＡに対して当該土地の登記なくして、土地の所有権を主張できます。ＡとＢは当事者の関係にあるからです。当事者間では登記は不要ですね。

　では、時効完成前に、ＡからＣに売買により所有権が移転していたらどうでしょうか。この場合、時効完成後にＢはＣに対して登記なくして所有権を主張できるでしょうか。

　結論から言いますと、Ｂは登記なくしてＣに対して所有権を主張できます。
　時効完成前には、Ｂとしては所有権を有していませんから、登記を具備することは不可能です。時効完成後に、Ｂは所有権を取得しますから、Ｃに対して登記を移転することを請求できます。つまり、ＢとＣは当事者の関係になるわけです。

　よって、Ｂは登記なくしてＣに土地の所有権を主張できるわけです。

　この時効完成前の第三者の問題は平１０－２－３で出題されています。

●５、時効完成後の第三者●
　では、Ｂの時効完成後に、ＣがＡから売買により所有権を取得した場合はどうでしょうか。この場合も、Ｂは登記なくしてＣに所有権を主張できるのでしょうか。

　この場合は、Ｂは登記を具備しなければ、Ｃに対して所有権を主張できません。時効の完成により、ＡからＢへ所有権が移転します。そして、売買により、ＡからＣへ所有権が移転します。つまり、ＡからＢへ、ＡからＣへと二重譲渡がなされたことになるわけです。よって、ＢとＣとは対抗関係にたつので、登記が必要となるわけです。
（平７－２－４、平９－６－４、平１３－５－４）

　この論点については、御覧の通り、２～３年に一回出題されています。来年あたり、どうでしょうか？

　時効完成前と完成後とでは、結論が異なります。忘れずに覚えておいて下さい。

　二重譲渡については、本メルマガではまだ取り上げていませんが、Ａが所有する土地を、ＢにもＣにも売ってしまうような場合です。この場合、ＡＢ間、ＡＣ間ともに売買契約は有効です。そして、ＢとＣとでは、先に登記を備えた方が勝つということになります。

　そういえば、詐欺取消後の第三者も対抗関係にたっていましたね。時効完成後も同じですね。

　時効の所には、他にも時効の起算点、所有の意思の問題など、問題点はたくさんあります。ぜひ、しっかりと勉強しておいて下さい。

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