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めざせ宅建合格!過去問から学ぼう!!平成16年第5号




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     「めざせ宅建合格!過去問から学ぼう!!」

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              平成16年5月21日  第5号

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 こんにちは、ごとうです。

 私の住んでいる所は、最近梅雨に入ったかのような天気の日が続いています。昨日は一日雨でした。おまけに今日は台風みたいです。こんな日は外に出ると、服がびしょびしょなのであまり出たくないのですが、仕事なのであきらめてます。みなさんの住んでいる所は、どんな天気ですか。

 今日から債権に入ります。まず今日は債権総論です。

★目次★
 多数当事者の債権
1、保証
2、連帯保証
3、連帯債務
4、最後に

 通常、AがBに対してお金を貸す、というように民法は1対1の関係を予定しています。しかし、本日の内容は違います。債務者が二人以上いる場合です。
 ややこしく、多くの受験生が苦手とする所かもしれませんが、 わかってしまえばなんということはないです。

 そして、ここの部分は、一人の債務者に対する行為が他の者にも及ぶのか(絶対効)、及ばないのか(相対効)という出題が非常に多いです。勉強を進めていくときに、この絶対効、相対効を意識しながら、やってみてください。


●1、保証(単純保証)●
 保証という言葉は、皆さんも聞いたことがあるかと思います。  AがBにお金を貸したとします。このとき、Bがお金をきちんと返せればよいのですが、Bの資力に対してAは不安をもっています。そこで、Bがお金を返せなかったときは、Cに返してもらおうとAは考えました。Cはそれを了解しました。

 このとき、Cのことを保証人と言います。ちなみにAのことを債権者、Bのことを債務者(又は主債務者)と言います。このような場合、「CはBの債務を保証する」という言い方をします。そして、Cが負担している債務のことを保証債務と言います。

 ここで大事な事があります。Cの保証債務というのは、AとCとの間の契約によって成立するものです。BとCとの間の契約と勘違いする方がいますが、間違えないで下さい。
 このことは、いつ出題されてもおかしくないと思います。

 保証債務というのは、主債務(BのAに対する債務です)があってはじめて成り立つものです。主債務がなくて、保証債務だけがあるというものはありません。これを保証債務の附従性と言います。
(平6−9−2)

 保証人というものは、本来債務者が払えなくなったときに、債務者の代わりに債権者に対して支払う者です。ですから、債権者が、支払期限が到来したからと言って、いきなり債務者ではなく保証人に対して、
「払え!」
と言って来た場合には、保証人としては債権者に対して、
「まず債務者に請求してくれ!」
と主張できます。これを「催告の抗弁権」と言います(452条)。

 さらに、保証人としては、
「債務者は、○○の貯金があるんだから、そこから簡単に支払ってもらえるだろ!!」
と主張することもできます。これを「検索の抗弁権」と言います(453条)。
 これは、平15−7−2で出題されています。

 保証人にはこの2つの抗弁があります。以上2つの保証人の抗弁権については、覚えておいて下さい。
 次に出てくる連帯保証との大きな違いです。


●2、連帯保証●
 保証人にもいろいろ種類があります。先ほどの保証人(単純保証人)ですと、債権者にとって不利なのがおわかりでしょうか。
 単純保証の場合ですと、債権者としては、まず債務者に請求をしなければなりません。保証人としては、催告の抗弁権があるからです。

 しかし、これは債権者側から見ると、とても手間がかかります。支払期限が来たのであれば、保証人に対しても支払請求したいところです。
 債権者としては、通常は誰が支払ってくれるかというよりも、きちんと全額耳をそろえて支払ってくれるのか、というところに関心があるはずです。

 そこで、出てくるのが連帯保証という制度です。「連帯」というのは、主債務者と連帯するという意味です。単純保証と比べると、保証人の立場が、主債務者に近くなってくるのです。
 この連帯保証人には、「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」の2つの抗弁権がありません。つまり、債権者としては、支払期限が来れば、主債務者に請求せずして連帯保証人に対して、
「払え!」
と請求できるのです。
(催告の抗弁権につき、平10−4−2、平15−7−1
 検索の抗弁権につき、平5−4−3)


●3、連帯債務●
 A銀行が、BCに対して、100万円のお金を貸したとします。このとき、BもCも100万円の債務を負担している場合を連帯債務と言います。A銀行としては、Bに対して100万円の請求が出来ますし、Cに対しても100万円の請求が出来ます。連帯保証に近い形ですね。

 ただし、連帯保証の場合は、保証人であることに変わりはありませんが、連帯債務の場合は、債務者です。つまり、主たる債務者が複数存在しているのです。


●4、最後に●
 最初にお話しましたが、ここの部分は、絶対効か相対効かの出題が、非常に多いです。しかも、ある年度は請求だったり、ある年度は免除だったりと、年度によって内容が異なっています。どこが出題されるかわかりません。逆に言えば、どこが出題されてもおかしくありません。
 そこで、捨て問にするというのも一つの手段かもしれません。

 しかし、覚え方というのも、ないわけではありません。皆さん、民法のテキストをお持ちだと思いますが、該当ページを開いて下さい。そこに書いてある「絶対効」を覚えて下さい。そして、それ以外は「相対効」と覚えて下さい。しかも全てを同時に覚えようとすると、どれもあやふやになってしまいかねません。ですから、1つでも2つでも確実に覚えて下さい。そのほうが、実力アップ、点数アップにつながると思います。

 ここでまず1つ覚えましょう。
 主債務者に対して請求すると、保証人に対しても請求の効力が生じます(絶対効)。これは、単純保証であろうと、連帯保証であろうと生じます。

 連帯保証の場合には、連帯保証人に対する請求も、主債務者に対して効力が生じます。

 さらに、連帯債務においても同じです。債務者の一人に対する請求は、他の債務者に対しても効力が生じます。

 つまり、単純保証、連帯保証、連帯債務のすべてにおいて、債務者に対する請求の効力は絶対効です。

 ただし、気をつけて下さい。単純保証の場合は、保証人に対する請求は、主債務者に対して効力は生じません。間違えないで下さい。


単純保証の場合の主債務者に対する請求
(平15−7−4)
連帯保証の場合の主債務者に対する請求
(平7−3−3)
連帯保証の場合の連帯保証人に対する請求
(平7−3−1、平10−4−3、平15−7−3)
連帯債務の場合の一人の債務者に対する請求
(平3−6−3)

 いかなる債権債務の形で、誰が誰に対していかなる行為をしたのか。その効果が誰に生じるのか。これをきちんと区別して整理しておいてください。
 がんばって下さい。

例、連帯保証で債権者が連帯保証人に請求した。
  その効果が主債務者にも生じるか。


 最後までお読みいただきありがとうございました。



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