めざせ宅建合格!過去問から学ぼう!!平成16年第6号
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☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 「めざせ宅建合格!過去問から学ぼう!!」 本メルマガの目的はただ一つ、宅建試験の合格です 平成16年5月28日 第6号 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ こんにちは、ごとうです。 今回も前回に引き続き債権総論です。 今回、「債権譲渡」と「債権の消滅」について取り上げようとしました。そのメルマガを書いていたら、普段の倍の量になってしまいました。そこで今回は「債権譲渡」のみを取り上げ、次回「債権の消滅」を取り上げます。次回と言っても、もう書き終えているので、月曜日あたりにしたいと思います。 よろしくお願い致します。 ★目次★ 1、債権譲渡 (1)総論 (2)債務者に対する通知・承諾 (3)二重譲渡 ●1、債権譲渡● ●(1)総論 AがBに対して金銭債権を持っています。Aが債権者で、Bが債務者です。このとき、Aが自己が有する債権を甲に対して譲渡しました。そうすると、甲が新債権者となります。甲がBに対して「お金を払え!」と言えます。これを債権譲渡(466条1項)と言います。この場合、Aを譲渡人、甲を譲受人と言います。 ●(2)債務者に対する通知・承諾 債権譲渡自体は、譲渡人(A)と譲受人(甲)間の契約によって成立します。 しかし、このままでは、譲受人は債務者Bに対して、債務者としての立場を主張できません。A甲間の債権譲渡の契約は、Bの関知しない所でなされています。そんななかで、甲がいきなりBに対して、自己が債権者であると主張したところで、Bとしては信用しないのが普通だと思います。 そこで、譲受人甲が、債務者Bに対して、債権譲渡を主張するためには、 「譲渡人Aからの債務者Bへの通知」又は 「債務者Bからの承諾」 のいずれかが必要となります(467条1項)。 このような通知又は承諾がなされれば、債務者としては、債権譲渡があったことがわかるからです。つまり、誰が債権者かがわかるわけです。 ここで、気をつけて下さい。債務者Bの承諾は、譲渡人Aに対してでも譲受人甲に対してでも、いずれに対してなされてもかまいません。 (平12−6−2で出題されています) 他方、通知は、譲渡人Aの方から、なされなければなりません。譲受人からなされてもよいとすると、不都合な事態が生じるのがわかりますでしょうか。 それは、譲受人は、常に真実債権譲渡がなされたときだけ、通知をなすとは限らないということです。譲受人は、真実は債権譲渡がなされていないにもかかわらず、債務者に対して通知をすることによって、債権者と主張して金銭の支払請求をしかねません。このような事態は認めるべきではありません。 そのため、譲渡人から債務者に対して通知をなす必要があるのです。権利を失う側の人間が言っているのだから、間違いないだろう、ということです。 (平15−8−2) そして、このとき譲受人が譲渡人に代位して通知をなすことも認められていません。 (平9−5−3) しかし、気をつけなくてはいけないことがあります。「代位」によって通知をなすことは認められていませんが、「代理」によって通知をなすことは認められています。 (平12−6−1) ●(3)二重譲渡 債権の二重譲渡という問題があります。これは、債権者Aが債務者Bに対して有する債権を甲と乙の両方に譲渡してしまう場合です。ここで、便宜的に最初に譲り受けた方を甲(第一譲受人)、次に譲り受けた方を乙(第二譲受人)とします。このときのA甲間、A乙間のそれぞれの契約自体は有効です。土地を二重譲渡した場合もそれぞれの契約自体は有効でしたね(メルマガ第3号参照)。 そして、甲にとっての乙、乙にとっての甲を「第三者」と言います。この場合のような、「第三者」に対して債権を譲り受けたことを主張するには、先述した「通知又は承諾」が、確定日付によることが必要です。ここで言う「確定日付」とは、公的機関が通知・承諾の日付を証明してくれる証書という意味に理解しておいて下さい。 甲が「確定日付によらない通知又は承諾」、乙が「確定日付による通知又は承諾」の場合には、乙が債権の譲受を主張できます。「確定日付による」通知又は承諾は、不動産でいう「登記を備えた」にあたるものと理解して下さい。 (平15−8−3) しかし、ここからが不動産と違います。不動産の場合は、所有権移転であれば、一人の人しか所有権登記を備えることはできません。 でも、債権譲渡の場合には、二人以上の人が「確定日付ある通知又は承諾」による場合が可能です。この場合には、誰が債権者として、優先して弁済を受けられるのでしょうか。 ここで最初に戻りましょう。そもそもなぜ「通知又は承諾」を必要としたのでしょうか。 それは、債務者に債権譲渡の事実を認識させ、誰が債権者であるかを知らしめるためです。 とすれば、債務者が早く認識した者が勝つということなるのです(これを到達時説と言います)。通知であれば、早く届いたものが勝つということです。 平12−6−3、平15−8−4で出題されています。 また、複数の者が、皆確定日付による通知をなし、その通知が同時に債務者に到達することも考えられます。 この場合は、誰もが、自己が債権者であると主張できます。つまり、早く債務者に請求した者の勝ちです。 (平9−5−4) 債権譲渡はここ5年ぐらい前から、出題が見受けられます。昨年も出題されていますし。来年あたりも肢の一つとしての出題も考えられます。しっかり学習しておいて下さい。 最後までお読みいただきましてありがとうございました。 無断転載・転送を禁じます。 |
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