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めざせ宅建合格!過去問から学ぼう!!平成16年第7号





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     「めざせ宅建合格!過去問から学ぼう!!」

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              平成16年5月31日  第7号

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 こんにちは、ごとうです。

 今回は、先週に予告しましたように「債権の消滅」を取り上げます。本来金曜日に書いたものが長くなってしまい、二回に分けたうちの後半部分です。


★目次★
1、債権の消滅
(1)第三者ル済
(2)相殺(そうさい・505条)



●1、債権の消滅●
●(1)第三者弁済
 Aが、Bに対して金銭債権を有していました。債務者たるBは、せっせと働いてお金を貯めて、そのお金で債権者Aにお金を返しました。これを弁済と言います。弁済によってAB間の金銭債権は消滅します。当たり前ですね。お金を返したにもかかわらず、消滅したのでは、たまったものではありません。

 では、先ほどの例で、お金を返すのは、必ずしもBでなければならないのでしょうか。
 そんなことはありません。Cが返したとしても問題はありません。債権者Aとして見れば、お金が返ってくればいいわけで、誰が返すかは、問題ではないのが普通です。親の借金を子が返す、子の借金を親が返すというのは、現実にはよくある話です(もちろん、返さなくてはならない義務は全くありません)。
 これを第三者弁済といいます(474条1項)。
(平4−6−4)

 但し、利害関係がない場合の第三者は債務者の意思に反して弁済することはできません。Bが「イヤだ!」と言った場合には、Cは弁済することはできないのです。
 このことは、平5−6−1、平11−5−1と出題されています。そろそろまた出題されそうです。覚えておいて下さい。


 利害関係のある第三者は、債務者の意思に反してでも弁済できます。利害関係のある第三者とは、どのような者でしょうか。

 その典型例が保証人です。債権者Aが債務者Bに金銭債権を有していました。このとき、CがBの債務の保証人となりました。AC間で保証契約を締結するわけです。

 この場合のCは、Bの意思に反してでも弁済できます。もしBの意思に反しては弁済できないとすると、Cがかわいそうです。Cは保証債務を負担しています。よって、Bが弁済できないときは、AはCに請求してきます。つまり、Cには保証債務による請求を避けるために、Bの意思に反してでも弁済を認める利害関係があるわけです。


 第三者Cが、債権者Aに弁済した場合、Cは債務者Bに対して、支払ったお金の請求が出来ます。「代わりに払ってあげたのだから、ちゃんとその分を返しなさい!」というわけです。これを求償権といいます。さらに、今までAがBに対して有していた債権もCに移転します。これを「弁済による代位」と言います。

 ここで気をつけて下さい。利害関係を有しない者が支払った場合には、債権者の承諾がないと債権は移転しません。この場合を任意代位といいます。他方、利害関係を有する者が支払った場合には、債権者の承諾がなくても移転します。利害関係を有するから払ったにもかかわらず、債権者の承諾がなくては、移転しないというのでは、支払った人に酷です。ここは覚えておきましょう。
 平5−6−2、平10−4−4、平11−5−4と出題されています。この問題も、そろそろまた出題されそうですね。


■もう一歩前へ■
 第三者が、債権者に支払ったことにより、債権は消滅したのではないか。それなのに、債権が第三者に移転するとはどういうことか。
 このような疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
 この点については、次のように考えて下さい。
 第三者が弁済したことにより、債権者との関係では債権は消滅しました。
 でも第三者と債務者との関係では消滅していない。このように相対的になる。
 こう考えて下さい。
■      ■


●(2)相殺(そうさい・505条)
 AがBに100万円貸したとします。そうすると、AがBに対して、100万円の金銭債権を有していることになります(貸金債権)。同じ頃、AはBから100万円のダイヤを買ったとします。そうすると、BはAに対して、100万円の金銭債権を有していることになります(代金債権)。この場合、ABともに、お互いがお互いに対して、100万円を請求できますし、100 万円を支払う必要があることになります。このようなとき、お互いに100万円を支払い合うというのは、面倒だと思いませんか。それに、仮にAが支払えるとしても、Bも支払えるとは限りません(つまりBにはお金がないかもしれないということです)。

 そこで、このような場合には、お互いにお金を払うのをやめましょう、というのが相殺という制度です。相殺は、いずれか一方の意思表示によって成立します。相殺をする人を相殺権者といいます。仮に、先ほどの例で、Aを相殺権者としましょう。このときAの有する貸金債権を自働債権といいます。他方、Bの有する代金債権を受働債権といいます。

 そして、相殺をするということは、相殺権者にして見れば、自働債権について、一方的に支払いをしてもらえるということ(逆に言えば、相手方は支払いを強制される)になります。又、受働債権については、自ら支払ったのと同じになります。

 相殺権者Aが、相殺の意思表示をすると、自働債権、受働債権ともに消滅して、なくなります。但し、これは対等額の限度で、です。自働債権が100万円、受働債権が30万円のときには、30万円の限度で消滅します。差額の自働債権70万円については、依然残っているので、AはBに請求できます。


■もう一歩前へ■
 先ほどから、Aを相殺権者としました。実は、上記の例でBが相殺をするのには、問題があります。Bが相殺権者ということは、Bが有する債権が自働債権となります。Bが有する自働債権は売買契約に基づく代金債権です。売買の場合、売主は買主に対して代金債権を有していますから、
「代金を払え!」
と言えます。他方、買主は売主に対して、
「目的物(先ほどの例では、ダイヤ)を引き渡せ!」
と言えます(引渡債権を有しているということです)。
そして、通常この代金債権と引渡債権とは、同時履行の関係にあります(533条)。つまり、同時に相手に渡しましょう、ということです。これを同時履行の抗弁権と言います。

 相殺の話に戻りますと、Bが相殺するということは、Bは代金債権が消滅しますので、代金を払ってもらったのと同じになります。この場合、Bの相殺を認めると、それによってAは同時履行の抗弁権を一方的に奪われてしまいます。これではAがかわいそうです。
 このようなAを保護するため、自働債権に抗弁権が付着しているときには、相殺ができないのです(相殺権者になれないということ)。
 尚、同時履行の抗弁権が代表的ですが、他の抗弁があるときも同じです(つまり、その者からの相殺はできない)。
■      ■


 自働債権に抗弁が付着しているときは、相殺できないことは、説明しました。ほかにも相殺できない場合というのがあります。わりと出題されていますので、見ていきましょう。

 まず、お互いに相殺をしない約束をしたときは相殺できません。当たり前ですね。それから、例えば、「絵を描いてあげる債務」のような、その性質上相殺に適合しないものも相殺できません。

 さらに、自働債権の履行期がまだ未到来のときも相殺できません。自働債権は相手方の支払いを強制するわけですから、履行期が到来している必要があるからです。

 では、次の例を見てみましょう。

 AがBに対して金銭債権を有し、BもAに対して金銭債権を有しているとします。そして、Aが相殺権者です。このときに、Aの債権(つまり自働債権ですね)が差し押さえられたとします。差押というのは、簡単に言えば支払いの差し止めだと思って下さい。このような場合でも、Aは相殺できるのでしょうか。

 結論から言いますと、「できない」です。理由を考えてみましょう。相殺をするということは、自働債権については相手方の支払いを強制するわけです。しかし、差押は支払いの差止めです。ということは支払いが差し止められている以上、相手方の支払いを強制することはできないわけです。

 では、逆の場合はどうでしょう。Aが相殺権者です。このときBの債権(つまり、受働債権)が差し押さえられたとき、Aは相殺できるでしょうか。

 結論から言いますと、Aは差押前に自働債権を取得していれば、相殺できます。逆に言うと、差押後に取得した債権を自働債権としては相殺できません(511条)。より正確に言いますと、たとえAが相殺をしたとしても、差し押さえた人(差押権者と言います)に対して相殺を主張できないということです。

 これはなぜでしょうか。差押前にAが自働債権を取得したときは、Aとしては「もし、Bが払ってくれなければ、相殺すればいいや」と考えているはずです。このAの期待は保護すべきです。 他方、差押えの方が先の場合には、差押権者としては、
「相殺される心配はないな」
と考えているはずです。この差押権者の期待はやはり保護すべきです。このように、受働債権が差押えられたときには、どちらが先かによって、相殺できるか否かが決まるのです。
(平7−8−4、平15−5−3)

 もう一つ相殺できない場合を押さえておきましょう。
 AはBに対して貸金債権を有しています。このとき、Aは車でBに怪我を負わせてしまいました。その結果、BはAに対して不法行為に基づく損害賠償請求権を有することになります。このとき、Aは相殺できるでしょうか。

 今回も結論から言いますと、相殺できません。受働債権が不法行為によって生じた債権のときは、相殺はできません(509条)。
 この場合、Bは怪我をしています。とすれば、治療費が少しでもほしいはずです。いくらAからお金を借りているとしても、まず体を治すことが先決です。
 よって、実際にお金を払わないとBのためにならないので、Aは相殺できないのです。
(平4−9−1、平7−8−3)


 相殺についてはわりと出題されています。ここのところは、誰が相殺するのか、自働債権はどれか、受働債権はどれか、相殺禁止にあたらないか、ということに気をつけて学習を進め、問題を解いて下さい。


 最後までお読みいただきましてありがとうございました。
 復習が大事です。今のうちに他の受験生に差をつけてしまいましょう。




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