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めざせ宅建合格!過去問から学ぼう!!平成16年第8号




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               平成16年6月4日  第8号

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 こんにちは、ごとうです。

 今日は虫歯の日みたいですね。みなさん虫歯などはありませんか。ある方は今のうちに治療しておいてくださいね。試験前やら試験中に痛くなったりしたら大変ですから。

 今回から債権各論に入ります。その中でも頻出事項である、同時履行の抗弁権を今日は取り上げます。本当は解除も取り上げるつもりだったんですけど、またしても長くなってしまったので、解除は来週の月曜日にお届けしたいと思います。どうも最近長くなってしまって、すみません。


★目次★
 同時履行の抗弁権(533条)
1、総論
2、売買契約
3、抵当権の抹消
4、詐欺取消


●●同時履行の抗弁権(533条)●●
●1、総論●
 同時履行の抗弁権については、前回相殺のところで、少し取り上げましたね。代表例は次のような場合です。

 Aは、その所有するダイヤをBに売却しました。この場合、AはBに対して「お金を払え!」と言えるわけですから、代金債権を有していることになります。Bにして見れば、代金債務を負担しています。他方、BはAに対して「ダイヤを引き渡せ!」と言えるわけですから、引渡債権を有しているわけです。Aにして見れば、引渡債務を負担しています。

 そして、この代金の支払いとダイヤの引渡は同時履行の関係にあります。つまり、簡単に言えば、支払いと引渡は一緒にしましょう、ということです。これを、同時履行の抗弁権と言います。

 但し、これは特約で排除することができます。当事者間で、代金の支払いが先と決めれば、同時履行の関係はなくなります(このような場合を代金支払いの先履行と言います)。先に履行するので、先履行です。

 では、過去問で出題されている所から、具体的事例を見ていきましょう。


●2、売買契約●
 売買契約(先ほどのダイヤの売却など)の場合には、売主・買主ともに同時履行の抗弁権が認められています。先ほどから見ている事例ですね。一番オーソドックスな例です。
 尚、建物のような不動産の場合には、売主は引渡のほかに登記の移転も、代金の支払いと同時履行の関係にあります。
 平11−8−1、平15−9−1で出題されています。


●3、抵当権の抹消●
 AはB銀行よりお金を借りました。Aは、その担保として、自己が所有する土地にB銀行のために抵当権を設定しました。一年後に、AはB銀行にお金を返そうと思いますが、このときお金の支払いと抵当権の抹消を同時履行と主張できるでしょうか。

 これは主張できません。主張できない理由については、次のように考えて下さい。

 前に抵当権の附従性について説明しました。債権があるから、抵当権があるのです。逆に言えば、債権が消滅すると、抵当権も消滅するのです。つまり、まず債権を消滅させる必要があるのです。そうすると、抵当権も消滅するのです。債権を消滅させるためには、お金をB銀行に払う必要があります。先にお金を払い、次に抵当権が消滅したので抹消という流れになるのです。お金の支払いが先履行なのです。

 よって、お金の支払いと抵当権の抹消とは同時履行の関係に立たず、Aは同時履行の抗弁権を主張できないことになります。
 平11−8−4、平15−9−3と出題されています。


●4、詐欺取消●
 Aが、その所有するダイヤを、Bに売却しました。AはダイヤをBに引渡し、BはAに代金を支払いました。ところが、AB間の売買契約は、Bの詐欺によるものでした。そこで、Aは詐欺取消(96条1項)をしました。
 そうすると、取消の効果は遡及的無効(最初にさかのぼって何もなかったことになる)ですから、Aは代金をBに返還し、BはダイヤをAに返還する義務が生じます。

 このとき、AとBのそれぞれの返還義務が同時履行か、という問題があります。

 まず、BがAに対して、
「代金を返せ!」
と請求してきた場合に、Aは同時履行の抗弁権を主張できます。Bは詐欺をするようなヤツです。お金を返してもらったけれどもダイヤは返さない、というような事態も考えられます。Aに同時履行の抗弁権を認める必要があります。

 では、AがBに対して、
「ダイヤを返せ!」
と請求してきた場合はどうでしょうか。この場合のBに同時履行の抗弁は認められているのでしょうか。

 結論は、この場合のBにも同時履行の抗弁権は認められています。
 Bは自ら詐欺をするような、いわば「悪いヤツ」です。個人的には、このようなヤツに同時履行の抗弁権を認める必要はないと思います。
 しかし、このようなBにも認める旨の判例が出ています。しっかりと覚えましょう。

 なお、第三者Cが詐欺をしたが、相手方が悪意だったので、取消した場合も同様です。
(平4−8−4、平15−9−4で出題)



 同時履行の抗弁権については、いろいろな場面で出てきます。それだけを取り上げた出題も考えられますし、売買契約の問題の肢の一つの出題としても考えられます。しっかりと学習しておいてください。その際、同時履行の抗弁権が認められる場合に、何と何が同時履行なのか、ということに注意して下さい。


 最後までお付き合い下さいましてありがとうございました。




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