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めざせ宅建合格!過去問から学ぼう!!平成16年第11号



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      「めざせ宅建合格!過去問から学ぼう!!」

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             平成16年6月15日  第11号

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 こんにちは、ごとうです。

 今日は最初、手付と買戻を取り上げようと思いました。でも、両者とも売買契約のところの規定とはいえ、全く別個の制度です。それを並べて書くのはどうかな?と思いましてわけることにしました。そのほうがわかりやすいかなと思いまして。
 そこで今回は手付を取り上げ、次回に買戻を取り上げます。


★目次★
 手付
1、意義
2、「履行に着手」とは
3、倍返し



●●手付●●
■事例1■
Aが所有する土地を、BがAより売買により取得しました。売買代金を1000万円とします。このとき、BはAに手付として100万円を支払いました。
■   ■


●1、意義●
 事例1のように、BがAに対して100万円を契約成立の証として支払うことがあります。これが手付です。実務では、「手付をうつ」などと言うこともあります。手付契約は、本体たる売買契約に従たる契約ですが、売買契約とは別個の契約です。

 手付には、ぜんぶで3つの種類があります。

 手付契約が締結されると、売買契約が成立したことの証となります。これを証約手付といいます。全ての手付は、この性質を有しています。

 次に、違約手付というものがあります。これは手付の交付者(事例1の買主B)が、債務の履行をしないときに、違約罰として没収されるものです。

 さらに、契約の当事者が解除権を留保する、解約手付があります。この場合、手付交付者は、自分が交付した手付を放棄して契約を解除できます。手付を受領した者は、手付の倍返しをして解除できます。先ほどの事例1で言うと、Bは100万円を放棄すればよく、Aは200万円をBに渡して、それぞれ解除することになります。

 通常、手付が交付されると特約がない限り解約手付と推定されます(557条1項、平4−7−1)。この解約手付にかかわる問題が本試験では出題される可能性が高いと思われます。


●2、「履行に着手」とは●
 上記の解約手付として手付が交付された場合、当事者は契約を解除することができます。

 しかし、いつまででも契約を解除できるとすると、解除される側はたまったものではありません。

 そこで、「当事者の一方が契約の履行に着手するまでは」(557条1項)と定めて、解除のできる時期にしばりをかけています。

 また、履行に着手する前であれば解除できるとした趣旨は、自ら履行した者は、契約の履行への期待が大きいからです。履行をなした段階で相手方より契約を解除されると、それまでの努力も期待もすべてが無になってしまいます。それではかわいそうです。よって、解除を制限しているわけです。

 とすれば、たとえ履行に着手した後でも、自ら履行した者であれば、解除をすることを認めたとしても差し支えないことになります。自分の努力や期待を自分で無にするからです。
 但し、この場合でも、相手方が「履行に着手」していないことが当然に必要です。
(平4−7−3、平6−6−2、平12−7−2)


●3、倍返し●
 事例1でAが解除する場合には、手付額の倍の200万円をBに対して支払わなければなりません。ここで言う「支払う」とは法律的に言うと、「現実の提供」が必要です。「用意が出来たから取りに来て」というような口頭の提供ではダメです。

 これはそもそもBはAに対して手付を支払済であるからです。Aが解除する場合に支払う200万円というのは、そのうち100万円はそもそもBがAに支払った金銭であり、残りの100万円はAが手付による解除をするために支払う金銭です。この場合、Bはすでに支払済なわけですから、それとのつりあいをとるために、Aは現実の提供が必要なのです。
(平12−7−4)


■□■ちょっと解説■□■
 現実の提供というのは、履行する対象物(事例1の手付でいうと現金)を実際に用意して、相手の前に差し出すというようなことです。「現実に(つまり実際に)提供する」ということです。

 それに対して、口頭の提供というのは、履行する対象物の用意が出来たことを相手方に告げる(つまり口頭です)ことを言います。口頭の提供がなされると、相手方が取りに行くことになります。
■□■      ■□■


 手付は、後々宅建業法でも出てきます。そのためにも、ここで民法上の手付についてしっかり学習しておきましょう。


 最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。




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