|
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 「めざせ宅建合格!過去問から学ぼう!!」 本メルマガの目的はただ一つ、宅建試験の合格です 平成16年7月26日 第22号 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ こんにちは、ごとうです。 今日から区分所有法に入ります。 「区分建物」については、前にもお話ししましたね(メルマガ第20号参照)。その典型例はマンションです。忘れた方は、第20号を読み返して思い出して下さいね。 マンションのような形態は、それぞれの部屋は独立していますが、そこの住人がみんなで使用する部分もありますね。廊下や階段などです。一戸建ての場合は、単有をそもそも予定していますが、区分建物の場合には最初から複数の人が登場することを予定しています。そこで、区分所有法には複数の人が登場することを予定した様々な規定があります。前に民法は単有を予定している旨のことをお話ししましたね。そことの違いを思い出して下さいね。 ★目次★ 区分所有法(その1) 1、総論 (1)はじめに (2)敷地利用権 (3)敷地権 ●●区分所有法(その1)●● ●1、総論● ●(1)はじめに マンションにお住みでない方でも、マンションを見た事がない方はいらっしゃいませんよね(何かバカにしたような言い方ですみません)。 ここで、各階に10戸ずつ、10階建て、計100戸あるマンションがあるとします。この場合、各戸はそれぞれ独立していますね。「独立」したというのは、それぞれに出入り口があり、それぞれが遮断されているということです(それだけではないのですが、まずここではこのことを確認して下さい)。つまり、101号室のAは、いったんドアから廊下に出てからでないと、102号室のBのところへは行けませんね。 そして、各戸はそれぞれが一つの不動産とされていますので、登記簿もそれぞれ作成されます。 しかし、建物には、各戸以外にもいろいろな箇所があります。例えば、廊下や階段などです。そういったものも一緒になっています。しかも、外観上、物理的には一棟の建物です。各戸を一つの建物として物理的に見ることができるわけではありません。 そこで、マンションのような区分建物の表示登記には、物理的な一棟の建物全体の登記と各戸の表示登記とを両方やることになっています。しかも一緒にやらなければならないことになっています。これは、一緒にやらないと、どれがどれだかわからなくなってしまい、面倒だからです。 (平8−16−1) ●(2)敷地利用権 マンションは空中に浮くことはできません(Mr.マリックだったら、という変なツッコミはしないで下さいね)。必ず土地の上にあります。 ということは、土地を利用する権原があるということになります。もし、ない場合には、勝手に他人の土地を利用していることになり、損害賠償させられてしまいます。この土地を利用する権原のことを敷地利用権といいます。この敷地利用権には、様々な場合があります。土地を所有している場合もありますし、他人の土地を借りている場合もあります。いずれの場合であっても、利用する権原があることになります。 ●(3)敷地権 敷地利用権と似て非なる言葉に「敷地権」という言葉があります。両者は似た言葉ですが、異なる概念です。 敷地権の説明の前に、まず前提となる所から入ります。 皆さんは、当たり前のようにお考えかもしれませんが、日本では土地と建物は別の物とされております。「別の物」というのは、それぞれに独立した所有権が成立するということです。土地をAが所有し、建物をBが所有するという状態です。 皆さんは、このことを当たり前だとお考えかもしれません。 しかし、世界的にみるとこれは決して当たり前なことではありません。建物には、独立した所有権が発生しないという法律を制定している国もあります。この場合、Aが土地を所有していたところ、その土地をBに賃貸したとします。Bがその土地の上に建物を建てたとしても、建物の所有権はAにある、このような制度をとっている国もあります。 すみません。少し話しがそれました。他の国のことはとりあえずおいておきまして、日本でも土地と建物を一体として考える、そういう制度があります。それが敷地権です。 まず、所有権を例にして考えてみましょう。 100戸に区分されているマンションがあるとします。この場合、100人で土地を共有していることになります(細かい事は気にせず、単純に考えて下さい)。今までの話ですと、土地と建物には別々に所有権が成立します(土地については正確には共有権)です。土地については100分の1を持っていることになります。 そして、売却する場合には、それぞれを売却することになります。 しかし、これでは面倒です。しかも、当該マンションが建っている土地(これを底地と実務的には言います)が一筆とは限りません。マンションによっては10筆ぐらいある所もあります。そのようなマンションで、もし一筆でも売り忘れなどあったら大変です。 そこで、土地と建物を一体化するのです。簡単に言えば土地と建物を一つの物と考える、ということです。そうすれば、土地と建物は一体化して一つの物となるのですから、法律関係がややこしくなるのを防ぐことが出来ます。この場合、誤解を恐れずに言うと、建物が主で、土地が従です。建物を売却すると土地も付いてくる、というイメージです。 そして、この「敷地権の表示」は、登記簿に記載されます。登記簿をとれば誰にでもわかるようになっているのです。 今までは、所有権を例にして話を進めてきましたが、土地を利用する権利は何も所有権だけに限りません。賃借権や地上権もあります。そして、この場合でも敷地権となりえます。 但し、気をつけて下さい。この場合には土地の所有権と一体化しているのではありません。「所有権」ではない以上、当然です。この場合には「土地の利用権」と建物が一体化しているのです。よって、土地の「所有権」は全くの第三者が有しているはずです。そして、その第三者は土地の所有権をこれまた全く無関係の人に売却することも可能です。これは土地の「所有権」は一体化していないからです。 さきほど、敷地権は登記簿に記載されると言いました。 では、敷地権になった旨の記載は登記簿のどこにされるのでしょうか。 前に登記簿は「表題部・甲区・乙区」からなるということをお話ししましたね。思い出しましたでしょうか(本メルマガ第19号参照)。そして、敷地権となった旨の記載は、土地の登記簿の相当区事項欄になされます。相当区事項欄というのは、相当「区」事項欄ですから、甲「区」か乙「区」です。表題部ではありません。甲区なのか乙区なのかについては、それぞれの権利の種類によって違います。思い出して下さい。甲区には所有権についての記載がなされることになっていましたね。ここでもそうです。所有権が敷地権となった場合には、甲区にその旨の記載がなされます。地上権と賃借権が敷地権となった場合には、乙区にその旨の記載がなされるのです。 (平8−16−4、平13−14−4) 尚、建物の登記簿にも、どの土地が敷地権となったのかの記載がなされます。 最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。 次回は区分所有法の続きを取り上げます。 無断転載・転送を禁じます。 |
|
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||