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表見代理1

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 ここでは、表見代理を取り上げます。まず、次のような事例を考えてみましょう。

■事例■
 Aが土地を所有していました。Bは、Aに内緒で勝手にその土地を「Aの代理人B」として、Cに売ってしまいました。
■  ■

 この場合、BはAから売買の代理権を与えられていませんから、無権代理となります。無権代理とは読んで字のごとく、「代理権がない」ということです。つまり、このままでは、Cは土地の所有権を取得することはありません。
 この場合、例え、Cが「BはAの代理人であり、売買の代理権を有している」と信じていたとしても、ダメです。Cは土地の所有権を取得しません。

 では、BがAの土地に抵当権を設定する代理権を与えられていた場合はどうでしょうか?
 この場合でも、やはりBは無権代理となり、基本的にはCは土地の所有権を取得しません。なぜなら、Bは抵当権を設定する代理権は有してしても、売買をする代理権は有していないからです。Bの代理権は与えられた範囲内のことしかできません。それを超えて何かをするということはできないのです。

 もし、この場合、Cが土地の所有権を取得することになると、とても不都合なのがわかりますか?

 この場合、Cが土地の所有権を取得するということは、Aが土地の所有権を失う、ということです。上記の例では、Aは何も悪くありません。悪いのはBです。
 Aは何も悪くないにもかかわらず、土地の所有権を失うことはありません。
 ということは、Aが土地の所有権を失っても仕方がないような理由(これを帰責性といいます)がある場合には、Aを保護しなくてもよいということが言えますね。

 これが表見代理です。

 このように表見代理とは、代理人が権限を有していないにもかかわらず、代理人が相手方となした契約が、相手方と本人との間で成立してしまうことをいいます。




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