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根抵当権

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 予断ですが、私は昔、「根抵当権」を「こんていとうけん」と読んで、笑われたことがあります。 言うまでもなく「ねていとうけん」と読みます。初めてこの言葉を見て、きちんと読める人ってどの くらいいるんですかね?

●(1)附従性、随伴性の否定
 抵当権の場合は、被担保債権が消滅すると抵当権も消滅します。したがって、またAがB銀行 からお金を借りて、B銀行が担保を要求すれば、あらためて抵当権を設定しなおす必要がありま す。附従性でしたね。

 しかし、それってとても面倒だと思いませんか。手間隙かかりますし。一回一回、抵当権を設定 しなおさないとならないわけですから。

 そこで考え出されたのが、根抵当権です。

 根抵当権の場合、一つの金銭消費貸借が返済されたとしても、根抵当権は消滅しません。
 これは、根抵当権は極度額という一定の金額が定められ、その金額に至るまで債権債務を担保 する性質のものだからです。
 さらに債権の範囲というものも定められます。この債権の範囲とは、根抵当権によって担保さ れる債権が何かを決めるものの一つです。売買取引や銀行取引等のように規定されます。売買取 引と規定された場合には、賃貸借取引によって発生した債権は担保されません。AとB銀行の間 に発生した債権債務であれば、なんでも担保されるわけではないのです。

 このような極度額や債権の範囲等といったものによって決められたある一定の範囲に属する債 権を担保するのが根抵当権なのです。

 例えば、AとB銀行との間で極度額1000万円、債権の範囲を銀行取引と定め、根抵当権を 設定したとします。この場合、AがB銀行との間で100万円を借りたとします。(第一取引)。 そして、一年後にその返済が終わったとします。さらにまた、100万円を借りたとします(第 二取引)。そうすると、第一取引、第二取引のいずれも、最初の根抵当権で担保されています。

 このように、一つの金銭消費貸借が終わったとしても、根抵当権は消滅しないことを、「根抵 当権には附従性がない」といいます。

 もし、第一取引にかかる債権をB銀行が、C銀行に債権譲渡したとします。そうだとしても、 根抵当権は移転しません。これを「根抵当権には随伴性がない」といいます。

 抵当権は、ある特定の債権と結びついて運命をともにしますが、根抵当権は特定の債権と結び ついていないのです。これが重要です。特定の債権と結びつかない担保権として考え出されたの が、根抵当権なのです。

 ただし、根抵当権も「ある特定の債権を担保し、このあとからの債権は担保しない」という状 態がいずれは到来します。これを元本の確定といいます。元本の確定が生じると、附従性や随伴 性が生じます。「元本の確定」という言葉と「元本の確定が生じると、附従性や随伴性が生じる」 ということは覚えておいて下さい。元本の確定が生じると、ほとんど抵当権と変わらなくなります。


●(2)利息について
 抵当権の場合は、担保している利息は、最後の2年分でしたね(374条)。

 しかし、根抵当権の場合は違います。根抵当権には極度額というものがあります。この極度額 までは、担保するのです。後順位抵当権者にしても、前の根抵当権者に極度額まではお金をもっ ていかれてもしょうがない、と考えているはずです。

 したがって、3年分でも、4年分でも、極度額までは担保するのです。

 例えば、極度額1000万円の根抵当権をA所有の土地に、B銀行が設定したとします。B銀 行の債権が500万円でしたが、利息がどんどんたまって5年分になってしまったとします。こ の場合でも、当初の債権と利息を合わせた金額が、極度額1000万円の範囲内でしたら、根抵 当権で担保されるのです。

 ここの部分は、抵当権との比較でよく出題されています。必ず覚えて下さい。


●(3)元本確定
 根抵当権が担保する債権は不確定とは言っても、いつまででも不確定なわけではありません。 どの債権を担保するのかが、決まることを「根抵当権の元本確定」、または単に「元本確定」と いいます。
 この元本確定が生じると、根抵当権はほぼ抵当権と同じ働きになります。よって、附従性や随 伴性が生じます。間違えないようにしてください。




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