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多数当事者の債権債務における時効の承認

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 債権を例にとって、お話しをすすめて参りましょう。
 通常、債権の時効期間は10年です。10年経過すると、債権は時効により消滅してしまいます。

 しかし、債権者としてはそのような事態は、避けたいところです。

 そこで、時効消滅しないように、時効の中断をしようと試みるはずです。この時効の中断をするための制度に、「承認」があります。これは、債務者のほうから、債権の存在を認めるという制度です。債務の承認があると、時効が中断します。

 では、次のような多数当事者の債権債務の場合において、その中の一人が債権を承認した場合には、どうなるのでしょうか。

 本来、時効の中断の効力は、当事者間でのみ効力を有します。

 しかし、多数当事者の債権債務の場合は、履行の請求のように絶対効が生じる事由もあります。

 では、承認の場合には、他の債務者にも、影響があるのでしょうか。それとも、影響がないのでしょうか。

●(1)連帯債務について
 連帯債務の中の一人が、自ら債権者に対して、債務を承認したとします。この場合、承認した者は自らの債務の時効は中断します。当然ですよね、自ら承認しているわけですから。

 しかし、他の連帯債務者の債務は、時効中断しません。つまり、相対効です。原則通りです。

 先ほども言いましたが、請求の場合は、絶対効でしたね。債権者が一人の連帯債務者に対して請求した場合、他の連帯債務者に対しても効力がありました。

 でも、承認の場合は、ありません。間違えないで下さい。いくら連帯債務者だからと言って、他人が債務承認したことによって、自分まで時効が中断したのではたまったものではありません。ですから、絶対効が生じる規定がないのです。

 なお、請求は債権者がするものであるのに対して、承認は債務者がするものです。


●(2)単純保証について
 単純保証の場合には、主たる債務者が承認した場合と、保証人が承認した場合とで、分けて考えて下さい。

 主たる債務者が承認した場合、まず自分が承認した債務は時効が中断します。当たり前ですよね、自ら承認したわけですから。それに加えて、保証人の保証債務も時効が中断します。

 次に、保証人が承認した場合、自分が承認した保証債務は時効が中断します。

 しかし、主たる債務は時効は中断しません。


●(3)連帯保証について
 連帯保証の場合も、主たる債務者が承認した場合と、連帯保証人が承認した場合とで、分けて考えて下さい。

 主たる債務者が承認した場合、先ほどと同様に、自分が承認した主たる債務は時効が中断します。それに加えて、単純保証の場合と同様、連帯保証人の保証債務も時効が中断します。

 次に、連帯保証人が承認した場合、自分が承認した連帯保証の債務は時効が中断します。

 しかし、主たる債務は時効は中断しません。


●(4)最後に
 最初にもお話ししましたように、時効の中断は、本来は当事者間でのみ効力を有するのが原則です。

 しかし、単純保証にしても、連帯保証にしても、主たる債務者が承認した場合には、保証人にも影響があります。これは、附従性からくる結論です。主たる債務に生じた事由は、原則として保証債務にも影響を与えます。ですから、主たる債務者が承認した場合、保証債務にも影響があるわけです。

 したがって、保証債務の場合には、絶対効が生じる規定がないにもかかわらず、主たる債務者が承認すると、保証人にも影響があるわけです。

 これに対して、保証人が承認しても、主たる債務には影響がありません。これは、本来は時効の中断は、当事者間でのみ効力があるという原則からくる結論です。絶対効が生じる規定もありませんし、この場合には附従性も生じません。



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