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手付の保全措置

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民法のところでも手付は出てきますが、手付は売買契約締結前に、買主が支払うのが通常です。普通は、手付を支払った後、本来の代金を支払って、売主から目的物の引渡しを受けます。

では、手付を支払った後、目的物の引渡しを受ける前に、売主たる不動産屋が倒産してしまった場合は、どうなるのでしょうか。

この場合、代金は支払わないものの、目的物はもらえない、このような事態になるかもしれません。この部分は、買主としてはまだ我慢ができるかもしれません。他を探せばいいだけの話です。

しかし、さらに手付金も返ってこないかもしれません。これでは、手付金の支払い損です。買主がかわいそうです。手付の金額は、通常は代金の1割ぐらいが多いですが、手付金が代金の5割だった場合、もし売主たる不動産屋が倒産した場合、あまりにも買主がかわいそうです。

そこで、買主がこのような目に遭わないようにととられた制度が、保全措置です。買主がこのような目に遭わないようにとられた制度ですから、手付金の受領前に保全措置を講じる必要があります。

宅建業者が保全措置をとらなければ、目的物を引き渡す前に、お金を受領してはならないことになっているのです。言うまでもなく、買主の保護ですね。

なお、ここでは、支払う金額はいわゆる「手付金」という名前のものに限らず、目的物の引渡前に支払うお金を含んでいます。ですから実際には「手付金等」という言葉が妥当かもしれません。過去問では「中間金」という言葉で出題されたりしています。



これにも、例外があります。金額が売買代金に比して小さい場合などには、手付金を受領できます。

さらに、買主に所有権登記が移転している場合には、受領できます。この場合には、売主としてはある程度なすべきことをなしているので、買主の保護をこれ以上図る必要性が小さいからです。つまり、登記が移転している以上、買主は所有権を第三者に対抗できますものね。

次に、工事完了前の場合、受領する金額が代金の100分の5以下であり、かつ1000万円以下の場合には受領できます。この場合、金額が小さいと判断されているからです。

なお、ここで気をつけないといけないのは「かつ」でつながっているということです。「かつ」というのは、両方の要件をみたさないと受領できないということです。つまり、「AかつB」となっているときには、AもBも必要ということです。

また、工事完了後の場合は、受領する金額が代金の10分の1以下かつ1000万円以下であれば受領できます。この場合も「かつ」でつながっている点に注意して下さい。


実際の保全措置として、銀行など金融機関による保証、保険事業者による保証保険があります。さらに、工事完了後については、指定保管機関による保管があります。

ただし、この指定保管機関による保管は、「工事完了後」ということに気をつけないといけません。実際過去問にも出題されています。

同じような場面(保全措置)でありながら、違うところ(工事完了前か後か)ですので、間違えやすいです。気をつけて下さい。



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